職場や学校で風邪が流行っているでしょうか。今年は咳の症状が強い方が多いように感じます。
風邪の予防には、病原菌を避けるために手洗いやうがい、人ごみを避ける、等も効果があるのでしょうが、普段から睡眠や食事に気をつけ、適度な運動をして体調を整えておくことが一番なのです。
でもなかなか思い通りにはいかないものです。
ここで私たちに24時間かかわる呼吸を見直してみましょう。
普段からしっかりと鼻呼吸ができているでしょうか。
鼻呼吸が身につけば風邪の予防にもつながっていきます。
口呼吸の害
鼻呼吸ができていないということは口で呼吸をしている、ということ。
ここで口呼吸の害をいくつかあげていきましょう。
- 鼻のフィルターを通らないので病原菌などの異物が体内に入りやすい
- 乾燥した空気が直接入ってくるので、肺など呼吸器官を傷めやすい
- 口腔が乾燥するので虫歯や味覚障害の原因になりやすい
- アレルギーを引き起こしたり、悪化させる原因ともいわれている
鼻呼吸を身につければこれらの害を軽減することができるわけです。
鼻呼吸の訓練
口呼吸から鼻呼吸に治すには訓練が必要です。
どうしてかというと鼻よりも口の方が空気の通り道が広いため、口呼吸の方が楽にでき、その習慣を覆しにくいためです。
訓練1 不安感を意識する
鼻呼吸と不安感といってもピンとこないかもしれませんが、呼吸は生命維持に直結していますから、口呼吸から鼻呼吸に移行して空気が吸いにくく感じれば、体は即座にその状況を回避しようとします。
もしこの時点で口を塞がれたとしたら、たとえ鼻から空気が吸えたとしても、不安を覚え、かなりあわてることになるでしょう。
鼻呼吸に移行しようとすることは程度の差こそあれ不安を覚えるものです。
意識の力でこの不安感を克服しなければいけません。
まずは鼻呼吸にすると不安感が沸き起こるかもしれないということを意識しましょう。
訓練2 ゆっくり細く吸う
まずは空気の吸いにくさに慣れなければいけません。特に鼻が詰まりがちな人はかなりの不安を覚えますが、ここであわてて強く息を吸ってはいけません。
狭い空気の通り道にたくさんの空気を通そうとすると、空気の流入する抵抗が増えて(風船から空気が漏れるときにブブブブブ、となるところを想像してください)かえって吸いにくくなり、パニックのような状態になってしまいます。
この不安感に耐え、ゆっくり細く息を吸ってください。
ゆっくり細い呼吸を繰り返し、「鼻呼吸でも大丈夫なんだ、鼻からでも十分に空気を取り込めるんだ」、というこを体に憶えこませます。2~3分できるようになればOKです。
訓練3 心地よさを感じる
どんなに意識しても苦痛の伴うものは、なかなか身に付きにくいものです。
鼻呼吸をしていると、口呼吸のときよりも呼吸が深くなってきて、からだ全体に空気が行き渡るような感じがしてきます。これは口呼吸にはない心地よさを伴うものです。
逆に空気が体全体に行き渡ることを意識して鼻呼吸をすると、呼吸もゆっくりとなり鼻呼吸に慣れやすくなります。
ここまでくれば苦しさよりも心地よさが勝ってきますので、鼻呼吸が身についたと言えるでしょう。
鼻呼吸をしていると自然と腹式の呼吸が強くなってきますので、精神的にも落ち着いてきます。
訓練4 その他
以上のことでかなり鼻呼吸は身に付くと思いますが、そのほかの訓練として、ヨガの技法にあるような片方の鼻を指で押さえて片方の鼻だけで呼吸をするなども効果的なようです(専門的には右で吸うか、左で吸うかなどあるようです)。
夜寝るときに口に軽くテープを張るなどもいいようです。
とにかくポイントはゆっくりと吸うことに慣れるということです。
鼻呼吸でがんばっていると、慢性的な喉などの炎症が軽くなってくるからでしょうか、頭部全体の充血感も弱まり、鼻が詰まりがちだった人も、だんだんと空気が通りやすくなってきます。1週間もあればかなり変わってくるのではないでしょうか。
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